今日で3回目を迎える「先延ばし」についての記事ですが…
私の中では
ADHD=先延ばし
みたいな固定概念があったせいか「先延ばし」は
人間が太古から持ち合わせていた防衛本能の名残り
という事に驚きを隠せませんでした。
発達障害全般に言えることですが…
私たちは立ち向かう(真剣に向き合う)相手(障害)が明確にならないと対処法を作り出すことが出来ません。
ADHDならADHDなりの対処法
アスペルガーならアスペルガーなりの対処法があり…
障害の認知(自覚)が大きなカギとなります
孫氏が言うように障害と本気で向き合うためには
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
私はADHD者としてやはり
定型発達者に比べて己を知る力が圧倒的に劣っていました…
自分はADHDであることを意識して、慎重に「先延ばし」攻略に入りたいと思います。
「先延ばし」対策あれこれ
先ずはこのお方

エミール・クレペリン(Emil Kraepelin)
ドイツの精神医学者であるクレペリン先生です。
「クレペリン」でピンと来た方
正解です!
今でこそ廃れてしまいましたが…
日本・精神技術研究所が提供している
「内田クレペリン検査」
の基礎を作ったのがこのクレペリン先生なんです。
そして作業興奮(さぎょうこうふん)というキーワードで引っかかるのもクレペリンです
いろいろ物議を醸す【作業興奮】
まずはクレペリンが提唱したとされる『作業興奮(さぎょうこうふん)』でGoogle先生に聞いてみると結構出てきますね…
で、大体こんな感じで見てみると…
掃除をしたくないと思っていても…
一度やり始めてしまうと止まらなくなり…
かなりの集中力と共に、気が付けば部屋中ピカピカにしていたというような記憶はないでしょうか?
これがクレペリンが見出した「作業興奮」という理論です。
なるほどー
あとは…
人はひとたび行動を始めると…
意外にもやる気が出てしまい、集中して継続できるようになる。
つまり…
やる気があるから行動できるのではなくて行動するからやる気が出る。
という理論らしいです
これはすごい!
要するに…
やり始めさえすれば後は万事うまくいくというわけだ!
ではなぜやり始める(身体を動かす)ことでやる気が起きてくるのか?
そこで、やる気が出た脳内では何が起きているのでしょう?
やる気スイッチ『側坐核』の登場!!
以下のようなプロセスで作業興奮は起こると説明されています。
- 手足を動かすなどの単純作業を通して脳の側坐核が刺激される
- 側坐核は外部からの刺激でドーパミンを分泌する
- ドーパミンはやる気の素となる物質である
- やる気が出るので作業の効率が上がる
側坐核(そくざかく)にドーパミン…
ADHD歴が長くなると「ドーパミン」と「脳」について何度も勉強させられます…
ここまでのまとめと注意喚起
やりたくなくて…
なかなか取り組めない「やるべきこと」ですが…
先延ばしを阻止するためには作業興奮を利用した「とりあえず動く」事が有効のようです
上手く機能するといいんですけどね…
そして紹介した「作業興奮」については疑義が生じていることも付け加えておきますね。
Wikipediaに掲載されていない
私とりは「著名だ」と言われる人や「専門用語」と言われる語句が正式な物かとりあえず「Wikipedia」に掲載されているか否か?で判断していますが…

なんで!?
実際「作業興奮」の記載はWikipediaにありません
クレペリン自身が「作業興奮」という名称を使用した形跡が無く、なんで作業興奮だけが独り歩きしたのか?調べ切ることはできませんでしたが…
クレペリン先生は研究の結果
作業においては5つの要素があると考えており
- 意志緊張
- 興奮
- 慣れ
- 疲労
- 練習
この中の2番目である「興奮」では…
「同じ作業を遂行するにつれて見られる没頭状態」のことを指しているとのことでした。
そして現在の研究では…
内田クレペリン検査について異議を唱える人も多く
その、信頼性が大きく揺らいでいます…
よって…
クレペリンの研究では5つの因子の一つである「興奮」の記述があるだけで「作業興奮」という名称は使用していません。
それにクレペリンの研究結果を「信頼性に乏しい」「個人間で誤差があり過ぎる」という理由から内田クレペリン検査についても、識者の間では否定的な意見が多数であることも事実です。

俺だって頑張ってるんだぞ!
なんだかクレペリン先生が可愛そうになってきました…
でも着眼点はとてもいいと思います(偉そうにいってすいません)
クレペリン先生のお陰で「とりあえずやる!(動く)」にもちゃんと理にかなった根拠があったのだと気付くことが出来ました!
ありがとうございます!
次回に続きます!